2020.09.19
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国際交流と場づくりのエキスパート PEACE BOAT が語る「世界一周の船で考えた、対話のコミュニティづくり」

みなさんは、街を歩いているとき、あるいは居酒屋のトイレで、「地球一周の船旅」と書いたポスターを見たこと、ありませんか。実はあれ、ピースボートというNGO(非政府組織)が行っているものなんです。

今回は、37年間にわたって船旅を通した国際交流を続けるピースボートが企画するトークセッション「世界一周の船で考えた、対話のコミュニティづくり」についてご紹介します。

“みんなが主役で船を出す”…顔の見える国際交流をプロデュースし続けて37年


1983年、戦争はもうずっと過去のものになったはずなのに、歴史認識の問題で日本がアジア・太平洋の国々と和解できないでいる…アジアで高まる反日感情についてニュースでみた学生が、「じゃあ現地に行って自分たちの目で確かめてみよう」と考えたのがピースボートの出発点でした。小笠原、グアム、サイパンといったアジアの国々をまわり、第二次世界大戦を知る当事者らに会いに行く旅が、ピースボートの記念すべき初航海です。

以降37年間、「みんなが主役で船を出す」を合い言葉に、好奇心と行動力いっぱいの老若男女が世界各地を訪れ、様々な国や地域に暮らす人々と直接顔の見える交流を行ってきました。第1回クルーズから数え、これまでに100回を越えるクルーズを実施してきました。 乗船した人の数はべ8万人以上。訪れた港の数は200を超えます。

最初は歴史問題がきっかけで始まったピースボートですが、今では人権問題や環境問題など、平和につながるたくさんの問題を広くテーマとして扱います。

当時とは異なり、現在はインターネットを通じて世界の様々な情報が手に入ります。とはいえ、その中には根拠が定かではない曖昧な情報も数多くあります。実際に世界の現場を訪れ、直接話を聞きに行くことの大切さはいまでも衰えることはありません。

ピースボートがめざすもの、それは船旅を通じて、国と国との利害関係とはちがった草の根のつながりを創り、地球市民の一人として、平和の文化を築いていくことです。

そんな地球市民のネットワークづくりに必要な人との「出会いの場」や、世界が抱えるグローバルな問題を現地の人たちと共に考える「学ぶ場」、そしてそれを踏まえて実際に一人一人が「行動できる場」をピースボートは提供してきました。

また、ピースボートでは、2016年8月に出航した地球一周の船旅を皮切りに船体にSDGsのロゴマークをペイント。世界中の港で、SDGsの重要性をアピールしています。

対話を諦めないことが平和につながるのだと気づいた


ピースボートのクルーズでは、毎クルーズ1000人近い参加者が3か月という時をともにします。参加者は0歳から90代まで。近年は日本だけでなく、中国、韓国、シンガポールやマレーシアなどからの参加者も多く、船内では日本語、英語、中文、韓国語が飛び交います。

船内ではこのようなバックグラウンドの異なる老若男女が、講座やイベント、あるいは食事などを通して、出会い、時に考え方や文化の違いに戸惑いながらも、旅のパートナーとしてお互いを知っていきます。

旅の中で訪れる先々もまた、新しい価値観や視点との出会いの連続です。自分が当たり前だと信じて疑わなかった「常識」を根底からくつがえされたり、「幸せ」や「ゆたかさ」の定義がわからなくなったり。奇抜な色彩やいにしえの人々の思いに圧倒されたり。

しかし、新しいものと出会うこと、知らないものと向き合うことは、大変なことです。異質なものは受け入れるより排除するほうが楽なこともある。昨今私たちは分断・排除があふれる世界を嫌というほど見せつけられ、また自分たちもその一部であることに絶望しています。

ピースボートで37年間の国際交流を続ける中で気づいたことがあります。それは、分断・排除の世界であるからこそ諦めずに対話を続けなければいけないということ。平和をつくり続けるには対話を諦めてはいけない。地道に対話を続けていれば、時間がかかるかもしれないけれど分かり合える日がくる。そして分かり合えたコミュニティでつくる社会・世界はまた一歩平和に近づいているはずです。

「世界一周で考えた、対話のコミュニティづくり」


というわけで、9月21日のPEACE DAY2020でピースボートが企画するのは「世界一周で考えた、対話のコミュニティづくり」というトークセッションです。世界を旅する中で体感した対話の大切さとその可能性について考えます。

セッションにお呼びしたのはピースボートに乗船したことのある3名のゲストです。一人目は地域と交わりながら新たな社会システムの構築を目指す「Next Commons Lab」代表の林篤志さん、2人目は新しい働き方を実践する作家/講演家/コメンテーターの安藤美冬さん、3人目は元ピースボートスタッフで、現在はひきこもり/不登校/発達障害/セクシュアル・マイノリティなどの当事者・経験者で構成される「ひきこもりUX会議」の理事として活動している室井舞花さんです。

ソーシャルメディア、地域などさまざまなフィールドで活躍する3人が経験した、ピースボートにある、対話のコミュニティづくりのしかけとはどんなものだったのでしょうか?

そしてそこから見えてくるものとは?「対話」を軸にwithコロナ時代のコミュニケーションやコミュニティ構築について考えます。

ぜひご参加ください!

ピースボートのことをもっと知りたい方は、
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世界各地を旅したひとたちの声を届けるメディアもやってます!
PEACE BOAT DECK(ピースボートデッキ)


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