PEACE DAY財団では、活動を応援してくださっている特別会員の皆様からいただいた会員費の一部を、毎年平和活動に取り組む5つの団体にご寄付させていただいています。
2023年度の寄付先団体の皆様よりメッセージをいただきましたので、ご紹介いたします。
5団体目は、あらゆる人権問題の解決に向けて活動する国際人権NGO 『ヒューマン・ライツ・ウォッチ』です。
ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は、1978年に設立された国際人権NGOです。弁護士、ジャーナリスト、各国の専門家など、70以上の国籍からなる約600人のスタッフが、各国の人権状況に関する調査や、それを基にしたアドボカシー活動を行っています。日本では、スタッフ・インターン15名が東京オフィスで活動しています。
現在、日本国内では、LGBTに関する問題、刑事司法手続に関する問題、外国にルーツのある子どもの教育の問題などをメインに扱っていますが、これ以外にも、国内外を問わず数えきれないほどの様々な人権問題の解決に取り組んでいます。
昨年の人権・平和に関する大きなニュースとしては、2023年10月7日に開始したイスラエル・パレスチナ間の戦闘行為があげられます。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは、これらの戦闘行為の開始後すぐに、両勢力の行為の国際法上の正当性等について解説するQ&A集をウェブサイトに公開いたしました。
また、違法行為に対して、適切な法的責任追及が行われるよう、早期から、国際刑事裁判所(ICC)による捜査への支持を、日本を含む各国に訴えてまいりました。さらに、現地での情勢についても、ニュース形式で継続的に世界に向けて発信してきました。
このように、世界中の人々に客観的で正確な情報を発信しつつ、同時に、各国政府等に対して国際法に従った対処を求めることにより、平和の実現を目指してまいりました。
2023年当初、日本以外のG7加盟国のすべてを含む世界80ヵ国以上において、LGBTに関する差別を禁止する法律が制定されている中、日本にはそのような法律はない状態でした。諸外国に比べ遅れをとっている日本のLGBTの人権保障について、ヒューマン・ライツ・ウォッチは、以前からこの問題に取り組んでいます。最近では、LGBT法連合会をはじめとする国内外のLGBT団体とのパートナーシップのもと、LGBT新法の制定を求めるグローバルキャンペーンを展開していまいりました。スポーツ選手をはじめとする著名人による賛同を得たり、SNSでの情報発信を継続したりすることにより、国内外の世論を醸成し、他団体と協働して行ったEqualityActJapanというキャンペーンでは、LGBT平等法の制定を求める10万以上の署名を集めました。また、2023年は、広島で開催されたG7サミットに合わせ、パートナー団体とともにG7各国からのNGOや大使館を招待して「プライド=P7サミット」を開催し、さらに、国会議員向け院内集会の開催や、議員への面談など、より直接的なはたらきかけも行ってまいりました。2023年6月には、提言していた内容がすべて実現されたわけではないものの、国内で初めてのLGBTに関する法律として、LGBT理解増進法が制定されました。
ヒューマン・ライツ・ウォッチは、こちらで紹介した以外のものも含め、国内外の様々な人権・平和に関する問題の解決に取り組んでいます。ウェブサイトやSNSでも定期的に情報発信を行っておりますので、ぜひご確認ください。
Website: https://www.hrw.org/ja
Twitter: https://twitter.com/hrw_tokyo
Facebook: https://www.facebook.com/HumanRightsWatchTokyo