2020.10.15 Information

唯一無二のチェンジメーカーにサポートを。Earth Companyの取り組み

今年の寄付先の一つである一般社団法人Earth Company
アジア太平洋の各地から毎年チェンジメーカーを選出し、サポートしています。
その活動内容と団体のなりたち、現在展開中の人と自然と社会とが調和する生き方を提案するキャンペーン「Earthly October」について伺いました。

「希望の星」ベラとの出会い

2014年、一般社団法人Earth Companyの共同創設者となる濱川明日香・知宏の2人は、ダライ・ラ マ14世から「Unsung Heroes of Compassion (謳われることなき 英雄)」という栄誉ある賞をいただきました。これは4年に一度、世界から50人、見返りを求めずライフワークとして人道支援活動を行う人々が表彰されるものです。
当初は辞退を考えていましたが、「授賞式にゲストを一人同行できる」との条件に、授賞式に大切な友人を連れていくために、ありがたくお受けすることにしました。

友人の名前は、東ティモールの当時の大統領補佐官だったベラ・ガルヨス。彼女は2人が国際開発・ 支援活動の中で出会ってきたなかでも、圧倒的にこの賞にふさわしい人でした。ベラを授賞式で多くの要人に紹介できれば、彼女の今後の活動を飛躍させることができるかもしれない。それこそが受賞の意義だと、2人は考えました。

ベラと2人は、2008年にハワイ大学大学院で出会いました。ベラは、奨学金の一部を仕送りして、43人の兄弟始め100人を超える親戚・遠戚の生活を支える傍ら、独立直後の東ティモールを 再建するため、勉学に励んでいました。ベラの半生や彼女が描く国の未来を毎日のように聞きながら、「将来ベラが動く時には、絶対に応援しよう」と濱川は心に決めてい ました。


そして授賞式で、ベラから東ティモール初の環境学校設立に対する政府からの大規模な資金援助が白紙に戻されたと聞き、「彼女を支援するときが来た」と迷いなく支援を決めました。
それが2014年10月。当時の濱川は第二子を妊娠し、バリ島への移住も決まっていましたが、「今しかない」とベラを支援する寄付を日本で集めるためにEarth Companyを設立しました。

ベラのように並外れた変革力とリーダーシップを持ち、地域コミュニティから信頼され、未来を託された「希望の星」は、たくさんいます。しかしそのような唯一無二のチェンジメーカーは、 必ずしも支援の機会に恵まれてはいません。
Earth Companyは「次世代につなぐ未来」をつくるためにはベラのようなチェンジメーカーがもっともっと増える必要性を感じ、アジア太平洋の各地からチェンジメーカーを1年に1人、「IMPACT HERO」として選出し、年間とことん寄り添う伴走支援を提供しています。

設立から6年。60万人を超える人々に支援を届ける

そして設立から6年、Earth CompanyはIMPACT HEROを支援し、計8000万円を超える支援を提供し、彼らの活動を通し60万人を超える人々に支援を届けてきました。
東ティモール初の環境学校の設立、インドネシアで24時間365日無償医療を提供する助産院の設立、マーシャル諸島で気候危機を生き抜く次世代リーダーを育成するためのユースセンター設立など、5カ国で8施設を設立・運営支援し、4箇所で災害支援を行い、「IMPACT HERO」に活動のインパクトを最大化するためのコーチングやコンサルティング、マーケティング支援など、あらゆる伴奏支援を行っています。


東ティモール初の環境学校・ルブロラグリーンスクール開校式


東ティモール初の環境学校を併設する、ルブロラ・グリーンヴィレッジ全景


インドネシアで24時間365日、無償医療を提供するブミセハット国際助産院バリ島クリニックのオープニングセレモニー


マーシャル諸島で気候危機を生き抜く次世代リーダーを育成するユースセンターのオープニングセレモニ

社会課題と環境課題は切ってもきれない関係にあります。社会課題が環境課題の原因になっていることもあれば、環境課題が社会課題を生み出していることもあります。
今年はコロナウイルスのパンデミックで、多くの国が緊急事態宣言を発令しました。確かにコロナの影響は深刻で世界での死者数は100万人を突破し、感染者数も3400万人を超えています。しかし、一方で世界では貧困で年間1800万人の人が亡くなり、約8000万人の難民がいて、気候変動による異常気象では去年6000万人が被災しています。

世界はコロナ以前から、ずっと非常事態でした。だからこそ、社会課題や環境課題を別々に解決するだけでなく、それらの課題を包括的に解決していく社会へとシフトしていかなければ、「次世代につなぐ未来」をつくることはできません。
地球が抱える一つひとつの問題と、それに苦しむ人たちに心を寄せ、そもそも課題を生み出さない「私たちのあり方」を追求していく必要があります。

その「第一歩」として、Earth Companyでは2020年10月を「Earthly October」というキャンペーンを展開しています。
「Earthly」はもともとは、「地球の」という意味ですが、私たちはこの「Earthly」という言葉に、「何かが発展する一方で課題や犠牲を生み出すのではなく、地球に存在するすべての生き物のウェルビーイングを追求する」という思いを込めました。そして、そのような人と自然と社会と、すべての生き物が調和する生き方を「Earthlyな生き方」と定義しました。
「Earthly October」はそんな「Earthlyな生き方」をみんなで始めましょう、というキャンペーンです。この新しい生き方は窮屈でも、我慢が必要なものでも、難しくもなく、気持ちよく、時に美味しく、視野が広がり自分の成長にもつながり楽しいものです。1人でも多くの人が、この魅力に気づいて楽しむきっかけをつくれたらと考えています。

URL:
Earthly October
https://www.earthcompany.info/ja/earthly-october/

Earth Company
https://www.earthcompany.info/ja/