2023.06.30 Monthly21

PEACE DAY monthly 21 #20 開催レポート

毎月21日に開催している「PEACE DAY monthly 21」。
20回目のテーマは、「平和な場所づくりのヒントとは?〜未来の子ども教育と里山保全、日本文化に触れる〜」をテーマにトークセッションを開催しました。
 
*CANDLE NIGHT TOKYO 2023
6月21日は夏至の日ということで、PEACE DAYとも連携しているキャンドルナイトのイベント、CANDLE NIGHT TOKYO 2023が代々木公園で開催されました。CANDLE NIGHT TOKYO 2023をプロデュースされているCANDLE JUNEさんにもご出演いただき、キャンドルや活動にこめる想いをお伺いしました。
CANDLE JUNEさんは、平和の願い火を灯し続けるのではなく、「平和を願う火を自分が消す。」という想いで東日本大震災の月命日である、11日に毎月福島で復興イベントを実施されています。
イベントでは、多くの方がキャンドルサークルを囲い、音楽を聴きながら、平和をゆったりと願う時間を過ごされていました。
 

 
*トークセッション
CANDLE JUNEさんにご出演いただいた後は、成瀬 久美さん(Peace Alchemist,株式会社Eternelle Beaute and Co.代表取締役、蓮葉果紅主宰)、井上 高志さん(一般財団法人PEACE DAY 代表理事/株式会社LIFULL 代表取締役社長)をモデレーターに、教育や自然、福祉に関わっている三名のゲストの方のお話を伺っていきました。
 

 
勅使川原 郁恵さん(オリンピアン/一般社団法人ナチュラルボディバランス協会代表理事/千葉星のあそびば 主宰)は、ショートトラックスピードスケートでオリンピックに三度出場、現在は二人の息子を育てる母でもあり、千葉星のあそびばの主宰を務められています。勅使川原さんは、子ども達にいろいろな経験をさせたいという想いで活動されています。千葉星のあそびばでは、「運動」「食事」「アカデミー」「自然あそび」という4つの本物を体験できる取り組みを行っています。
本物体験を通して、四季や自然を感じたり、日本行事の背景を学んだりすることで、人生が豊かになるということを「教育」ではなく「遊び」とし、楽しく自然と体感できるような仕組みを目指しています。乳幼児に向けた活動だけではなく、受験を控えている子どもに向けても、親子共々、心を健やかにしてもらうために増田 実菜さんにも活動に参加していただいています。
 
増田 実菜さん(合同会社キョウイクデザイン 教育メンター/株式会社日本意匠商店 取締役/BOON子ども教育心理研究所 カウンセラー)は、「和の色」 を通じて環境づくりに関わる一方で、子どもの教育心理のカウンセラーでもあり、個性を生かした人材育成と環境づくりを行っています。千葉星のあそびばでは、親子の関係をより良くするための取り組みを主に行っています。子育てを大変だと感じる親にとって、楽しいと感じられるようにすることを目指しているそうです。教育と農業は似ている部分があり、自然の環境を通して交流する中で、親子との関わりについて見つめ直したり、感じられるような機会にしたいと仰っていました。
 
■千葉星のあそびば https://www.chibaboshi.com/
 
徳江 倫明さん(一般社団法人フードトラストプロジェクト 代表理事)は、50年前から有機農業を広めようと活動を始め、有機農産物専門流通団体「大地を守る会」に参画し、有機農産物の宅配事業「らでぃっしゅぼーや」を創業、その他にも多岐にわたる活動で日本中にオーガニックを広められてきました。現代では以前に比べて、それぞれが求めている世界がはっきりし、必然的に、そして自然派生的にそこに惹きつけられていくような世の中に変わってきていると感じるそうです。これからの時代は「多様性、ローカル」に焦点が当てられてくるのではないかと仰っていました。
 
ゲストの皆さんのお話を聞かれて、全て「心のありよう」に帰結するのではないかと成瀬さんは仰っていました。利他主義といわれていることや、人々のためを思って活動していることは、決して「すごい」ことではなく、空気のように、自然にその活動や想いが繋がっていく。利益を出すためだけではなく、「共感型」の人の心を呼び寄せるような、惹きつけられるもの。それが、資本主義の次なるステージのプロセスなのではないかとお話くださいました。
 
*PEACE DAY財団理事 井上さんより・・・。
○以前までは、「効率の追求」ばかり求めてきた時代な気がします。しかし、効率化を求めすぎると、何か大事なものが失われてしまう。50年間も有機農業に携わってきた徳江さんが感じる「効率化の変化」を教えてください。
→効率性の追求から、持続可能性の追求に変わってきているのではないか。効率化を追求すると資源がなくなってしまうことや、本当の意味でのコスト減とはどういうことなのか、現在はその見方が変化してきた。現代のビジネスでは欠かせない、「持続可能性」の本質について、少しずつ皆が気づいてきた結果なのではないかと仰っていました。
 
○多様性を重視した枠にはめない自由な教育と、王道のエリートコースが正しいというような教育の価値観の違い、すり合わせ方についてどう思うか、教えてください。
→「大人が子どもを誘導してはいけない」というのが第一。スポーツの世界でも、コーチが言ったことだけをやるのではなく、自分自身でどう強くなるのかを考えて練習する選手の方が伸びると思います。個人個人の良さを伸ばし、子どもが好きと思うことを教育に取り入れるのが大切なのではないかと仰っていました。(勅使川原さん)
 
→「答えは子どもの中にある」。子どもの発達というものは、点で見るのではなく線でみることが大切だと思います。子どもを観察し見守り、信じて待つということはすごく苦しいことですが、それができると、その子どもなりの芽が出てくるのではないか、と仰っていました。(増田さん)
 
*最後に・・・
PEACE DAY monthly 21 #20にご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
今回は、教育プログラムや農福連携など、多面的な角度から次世代を担う子どもとの関わりについてお話を伺うことができました。意見を押し付けるだけではなく、のびのびと、自由に大人も子どもも接することが大事なんだなと改めて学ぶことができました。
 
次回の「PEACE DAY monthly21は、7月21日(金)に開催予定です。
テーマは思考の枠を壊すアートの力とは」
 
視覚や聴覚など障害のあるメンバーとプロの表現者が共創するインクルーシブ合唱団「ホワイトハンドコーラスNIPPON」。ベートーヴェン「第九」を、体験型写真展や、目で見るコンサートといった新しい手法で発表するため2024年ウィーンに行きます。脆弱な環境に置かれた子どもも、大人も変容させ、人生を解放していく「第九のきせき」プロジェクトについて熱く語ります!
多くの皆さまのご参加を、心よりお待ちしております!
 
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https://pdmonthly20230721.peatix.com
 
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