2023.09.06 Monthly21

PEACE DAY monthly 21 #22 開催レポート

毎月21日に開催している「PEACE DAY monthly 21」。
22回目のテーマは、「終戦記念日月間~The End of Warを考える」。
 
今回は、原爆が投下され、終戦を迎えた季節、8月ということで世界唯一の被爆国に生まれた1人として、核兵器廃絶に向けて力を注ぐ岡島 由奈さん(核政策を知りたい広島若者有権者の会(カクワカ広島)メンバー)、高橋 悠太さん(核廃絶ネゴシエーター)をゲストにお迎えし、トークを展開しました。ゲストのお二方からどのような想いを持って、どのような活動をしているのかについてそれぞれお話いただいた後、モデレーターの山岡 仁美さん(一般財団法人PEACE DAY 理事/株式会社グロウスカンパニー+代表取締役)、井上 高志さん(一般財団法人PEACE DAY 代表理事/株式会社LIFULL 代表取締役社長)の二人を交えながらダイアログを展開していきました。
 
■カクワカ広島メンバー 岡島由奈さん
 核政策を知りたい広島若者有権者の会(カクワカ広島)メンバーである、岡島由奈さんからカクワカ広島についてご紹介いただきました。カクワカ広島では、主に広島出身・広島に所縁のある国会議員の方にお会いし、核兵器禁止条約の考えや、核政策について話し合うということを行なっています。カクワカ広島の原点には、2018年に広島出身の被爆者である、サーロー節子さんと出会いがありました。サーロー節子さんが放った「祈るだけではなく具体的に行動して下さい」という言葉が、非常に多くの方の心を動かし、今の活動に繋がっているそうです。
カクワカでは、核兵器禁止条約に対する各議員の考えやアンケート調査の回答をまとめたり、ウェブサイト・SNSでの発信、イベントの企画や講演など様々な活動を行なっています。 核兵器という言葉を聞くと、政治や安全保障の問題と考えてしまいがちですが、ジェンダー・経済・食糧危機など、「核兵器」だけでは終わらない、もっと広く色々な問題が絡まっているということをお話いただきました。
 
次なる目標は、日本が第2回核兵器禁止条約締約国会議にオブザーバー参加してもらうことだと伝えていただきました。
 

 
■核廃絶ネゴシエーター 高橋悠太さん
 広島で生まれた高橋さんは、中学校のクラブ活動で平和や核の問題と向き合い始めた時から現在に至るまで様々な活動を行ってきました。核兵器を無くすために政治を変えたり、政策を決めたりする人の考えをアップデートすることが平和において重要であるという考えのもと、職業「核廃絶ネゴシエーター」と自ら名付け、核廃絶に向けて多面的なアプローチを行なっています。ネゴシエーターとは、交渉人という意味を持ちます。
 そんな高橋さんから一つ、質問がありました。それは、「あなたの思う(太平洋戦争)終戦の日はいつ?」というものです。高橋さん自身、終戦を学べば学ぶほど終戦の概念が分からないと仰っていました。世間一般では、終戦記念日というと8月15日ですが、被爆者(当事者)にとっては、そこから被爆者としての人生が始まり、戦争で負った傷を癒す時間が始まります。被爆者や戦争の被害を受けた人たちにとって、本当の終戦は訪れることはない。その意味でも、私たちは終戦記念日の前後を広く長く知る必要があると仰っていました。
 被爆者の一人である坪井直さんは、二十歳の時に被曝し、壮絶な結婚差別を受けました。この世で一緒になれないならあの世で一緒になるんだと、自殺を図ったこともあるそうです。被曝を経験した多くの人が、「もう誰にも自分と同じ思いをさせてはならない」と仰るそうです。憎しみを投げかけるだけでは世界から戦争は無くならない、憎しみを心の奥底に仕舞い込んで、相手の話を聞くことが必要なんだと坪井さんは熱く伝えてくださったそうです。
 

 
核兵器禁止条約の必要さを簡単に分かりやすくまとめた「核なき世界を日本から」という動画をご紹介いただきました。
https://youtu.be/fvWOFNDlSH4
核兵器をなくすための「日本キャンペーン」:クラウドファンディング募集中
 
【核なき世界を日本から】核兵器はいま世界に1万発以上あります。でも、これをなくすことはできます。核兵器禁止条約ができ、すでに世界の半数近い国が加わっているからです。広島・長崎を経験した国・日本がこの条約に加われば、世界を大きく動かします。日本政府とすべての議員に強く働きかけるキャンペーンを作ります。
https://camp-fire.jp/projects/view/685805
 
■最後に・・・
 PEACE DAY monthly 21 #22にご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。テーマが「終戦記念日月間~The End of Warを考える」ということもあり、深くじっくりと参加者の皆さんと平和について考えることができました。「祈るだけではなく、行動へ。」小さなことから少しずつ行動に移していきましょう。
 
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