2024.02.01 Monthly21

PEACE DAY monthly 21 #26 開催レポート

毎月21日に開催している「PEACE DAY monthly 21」。
26回目のテーマは、「オーガニックコットンを通して考える真の「エシカル消費」とは」。

昨今、誰しもが一度は耳にしたことのある素材「オーガニックコットン」を中心に、栽培・製造・労働環境・地球・ひとの全てにやさしい消費とは何か、株式会社チーム・オースリー 代表取締役 前田 剛さんをゲストにお招きしてお話を伺っていきました。オーガニックやエシカルに関心のある多くの方々にご参加いただき、質疑応答も交えながら積極的に参加者の皆さんと考える時間となりました。

*前田 剛さんについて
 純オーガニックコットン専門ブランド「メイド・イン・アース」を1995年に立ち上げ、栽培時だけではなく製造・加工の段階でも有害ん化学薬剤を使わないモノづくりを徹底することで、環境や生産者だけではなく、使う人の心や体も癒される心地よい暮らしを提案しています。現在は、オーガニックコットン製品のほか、国産在来種コットン「和綿」を広めるプロジェクトを通して、ワタ栽培や糸紡ぎのワークショップ、出張授業や出張講座、お話し会なども開催しています。コットンを軸に、エシカル消費やSDGsの学びの場を展開しています。


*エシカル消費について・・・
 前田さんの考えるエシカル消費とは、一人ひとりが世の中に多く存在する社会課題に関心を持って、社会課題解決に貢献している企業や団体を応援し、自らの消費行動を考え、行動していくことだそうです。
 一般的なコットン栽培では、健康・経済・人道・環境など、さまざまな被害があります。コットンは食べ物ではないから、農薬がたくさん使われてもいいのではないか?とも思えますが、種をしぼって、お菓子の揚げ油やそうめんのコーティングに使用したり、家畜の飼料となって食肉や乳製品として、私たちの体内に実は取り込まれているのです。
 また、最近では、誰しもが「オーガニック」という言葉を耳にしたことがあると思いますが、言葉だけが少し先行している部分もあります。コットン製品の製造プロセスは大きく農業と工業に分けられますが、農産物から工業製品に加工処理をするプロセスには違いがあります。通常の原綿を使用し化学加工をした一般的なコットン製品。オーガニックコットンを使っているが、通常の化学加工をしたコットン製品。原料にも加工にも配慮したオーガニックコットン製品。オーガニックコットンと聞くと、環境にも人にも優しいという印象を持つ方が多いと思います。しかし、オーガニックコットンは栽培する人には優しいけれど、製品を使う人の肌にとって優しいかと言われるとそうでない場合もあります。化学加工をした製品が悪いというわけではなく、その製品がどう作られたのか、どのような原料が使われ加工されているのか、自分はどんなものを身に付けていたいのかを考えることが大事だと前田さんは仰っていました。


*今後オーガニックコットンを広めていくために・・・
 前田さんからお話しいただいた後は、これからオーガニックコットンや地球・環境・ひと全てに優しい製品を広めていくためには、どうしたらいいか?ということついてモデレーターである井上さんを交えながら意見を交換していきました。現在では、生低価格で大量に生産・製造できる製品企業が儲かる仕組みとなっていますが、社会課題解決に真剣に取り組み、全てのもの・ひとに優しい製品を扱っている企業が利益を得られるような社会の仕組みが必要ではないか。そのためには、生産者の“意識“だけではなく、生産者の環境配慮についての情報開示を義務化したり、オーガニック製品ではないものを使用している企業には追加コストを課せるなどのルールを作るべきなのではないかと井上さんは仰っていました。

*質疑応答
 オーガニックコットンを栽培する上での効果的なコンパニオンプランツは何か、大手企業と中小企業の共存、協働等できるような世界を創造するにはどうしていくべきか、なぜ前田さんがオーガニックコットンに着目したのか、など参加者の方から様々なご質問と、あたたかいご感想をいただきました。

*最後に・・・
 PEACE DAY monthly 21 #26にご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。前田さんの長くに渡り続けてきた活動と、それに込める想いを聞き、私たちだからこそできる“消費活動”について深く考える時間となりました。これからの自分たちの未来のために、完成した製品そのものだけを見るのではなく、その先にいる生産者や地球のことを考えることが大事なのではないでしょうか?

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