2020.12.04 Information

丸の内にて、「平和の鐘」お披露目会

ニューヨークの国連本部にある「平和の鐘」。
この鐘は、一人の日本人男性が平和を願い私財を投じて造ったものであることをご存知でしょうか?
その男性の名前は、「中川千代治」。愛媛県宇和島市出身で、1941年の太平洋戦争開戦後、ビルマでの激戦で所属部隊が全滅する中ただ一人生き残るという悲惨な体験をしました。
中川氏は自分だけが生き残ったという申し訳なさに苦しみ、 「二度と戦争をしてはいけない」という事を伝える事が自分が生き残った意味であり使命であると決心しました。

「平和の鐘を」国連総会での訴え

日本国際連合協会の評議員・理事となった1950年、中川氏は戦争中の金属供出で梵鐘を失っていた宇和島市の菩提寺 泰平寺に、戦場で携えた軍刀と戦後世界を回って集めた26カ国のコインを溶かして平和を祈り、「世界絶対平和万歳の鐘」を奉納します。
そしてその翌年の1951年、フランスはパリで開催された第6回国連総会に参加。当時の日本は国連に加盟を許されておらず、日本国連協会代表のオブザーバーとして自費での参加でした。
そこで中川氏は、『国や宗教の違いを越えて、世界の平和を願う人々からコインを貰い「平和の鐘」を造りたい。平和への祈りを一つにしたその鐘を国連に寄贈し、 世界の平和のために鳴らして欲しい』と国連加盟国に訴え、泰平寺の鐘の音をテープで流しました。

世界各国へ広がる「平和の鐘」の運動

国連はこの一日本国民の申請を受理。中川氏は、65の総会参加国の代表者からのコイン、ローマ法皇ピオ12世からいただいた金貨、冷戦のベルリンでソ連兵から譲り受けたカペイカ貨幣、日本国内の多くの賛同者から集まった多くの硬貨、日本刀のつば、弾丸、各宗派のバッジ、神社の銅板等から「平和の鐘の小鐘」を造り国連に贈呈しました。
鐘の鋳造・ニューヨークへの運搬は、中川氏の理念に共感された方々により全て無償で請け負われています。

その後は、東西の緊張が高まる1961年には米国ケネディ大統領、ソ連フルシチョフ首相に姉妹鐘を贈呈。さらには全世界140カ国の元首にピースベルのレプリカを贈呈するなど、国連を通じて「平和の鐘」は世界の人々に届けられる一大平和運動に展開していきました。
毎年9月21日の「国際平和デー」には、国連事務総長が鐘を鳴らし、各地でも鐘打式が開催されています。

サンマリノ共和国へ「平和の鐘」を

そして、この度サンマリノ共和国に贈呈される「平和の鐘」が、かねてよりPEACE DAY財団にお力添えをいただいているサンマリノワイン日本総代理オッジフルッタ代表 古堅裕子様のご尽力により完成いたしました。
世界中の方々の平和への祈りのこもったコインやメダルなどを鋳込んで造られたこの「平和の鐘」のお披露目会が、12 月 6 日(日)15:30より東京丸の内にて開催されます。

会場となる丸の内仲通りでは、冬の風物詩『丸の内イルミネーション 2020』も開催中で、サンマリノワインや、ビーガンカレーなどが楽しめるキッチンカーも出店しています。
日本の心を鐘に込めるべく、鼓絆塾の皆様による和太鼓演奏や、 「⻄馬音内盆踊りを楽しむ会」による⻄馬音内盆踊り、 歌舞伎役者成駒屋の中村橋吾さんによる、 平和の鐘特別演目『平和成祈鐘(平和になれや祈るはこのかね)』などが披露されます。
三密を避けるために、屋外での開催になりますので防寒にご配慮のうえぜひお越しください。

【平和の鐘お披露目会】
日時:2020 年 12 月 6 日(日)15:30〜19:00
会場:丸の内仲通り『新丸ビル』前
■主催:『サンマリノ・ニッポンまつり 2021』実行委員会事務局