レポート|本から始めるピースデー~PEACE POET ・ピースな詩のオンライン オープンマイク

投稿日: 2022.09.20

戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない── 。PEACE DAY WEEK 5日目の9月19日に開催したのは「本から始めるピースデー~PEACE POET ・ピースな詩のオンライン オープンマイク」です。

モデレータは放送作家で京都芸術大学客員教授の谷崎テトラさん、クリエイティブディレクターでピースデー・ジャパン共同代表の並河進さん、SENSE OF WONDER主宰でフリーアナウンサーの松尾翠の3人です。

今回のイベントには「オープンマイク」というタイトルがついています。最近では、アーティストやお笑い芸人の飛び入り企画で使われたりする言葉ですが、その歴史は1930年代のパリのカフェ文化にまでさかのぼります。詩人や芸術家、音楽家がかふぇにあつまり、さまざまなものが生み出されました。当時、マイクはありませんでしたが、そこに集ったさまざまな表現社たちが、オープンに自分の表現を披露したのです。

こうした動きは、1940年代終わりから1960年代なかばにかけてのビートニク(Beatnik)というカルチャー・ムーブメントにつながり、詩人たちがポエトリーリーディングを始めます。これからはベトナム戦争への反戦の思いを共有する場として非常に重要な役割を果たしていきます。詩や言葉が人々をつなぎ、社会への影響力を持つようになりました。

こうした背景を共有したあと、参加者それぞれが詩や本を紹介していきました。

ユネスコ(国際連合教育科学文化機関)の憲章前文にはこう書かれています。

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戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない。

ここに終りを告げた恐るべき大戦争は、人間の尊厳・平等・相互の尊重という民主主義の原理を否認し、これらの原理の代りに、無知と偏見を通じて人間と人種の不平等という教義をひろめることによって可能にされた戦争であった。

 文化の広い普及と正義・自由・平和のための人類の教育とは、人間の尊厳に欠くことのできないものであり、且つすべての国民が相互の援助及び相互の関心の精神をもって果さなければならない神聖な義務である。

 政府の政治的及び経済的取極のみに基く平和は、世界の諸人民の、一致した、しかも永続する誠実な支持を確保できる平和ではない。よって平和は、失われないためには、人類の知的及び精神的連帯の上に築かなければならない。

 これらの理由によって、この憲章の当事国は、すべての人に教育の充分で平等な機会が与えられ、客観的真理が拘束を受けずに探究され、且つ、思想と知識が自由に交換されるべきことを信じて、その国民の間における伝達の方法を発展させ及び増加させること並びに相互に理解し及び相互の生活を一層真実に一層完全に知るためにこの伝達の方法を用いることに一致し及び決意している。

 その結果、当事国は、世界の諸人民の教育、科学及び文化上の関係を通じて、国際連合の設立の目的であり、且つその憲章が宣言している国際平和と人類の共通の福祉という目的を促進するために、ここに国際連合教育科学文化機関を創設する。

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前文の冒頭部分の「戦争は人の心の中で生れるものであるから、人の心の中に平和のとりでを築かなければならない」という「言葉」は、平和を考える上で非常に本質的です。一人ひとりの心にメッセージを伝えるには、詩や音楽といった文化の力が欠かせません。

参加者の一人ひとりがそういった実感を得た今回のイベント。「これからも続けていこう」という意思を確認し合いながら、2時間のオープンマイクを終えました。