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2023.09.19 ( event )

あらゆる課題はつながっている── 。9/16 「PEACE DAY2023 スペシャルシンポジウム」レポート

あらゆる課題はつながっている── 。9/16 「PEACE DAY2023 スペシャルシンポジウム」レポート

いよいよスタートしたPEACE DAY 2023の「PEACE DAY WEEK」。9月15日(金)~9月21日(木)までの1週間、平和に関するさまざまなアクションを展開します。9月16日に開催したのは「PEACE DAY2023 スペシャルシンポジウム」です。

1日を通して社会課題やSDGsなど「世界平和」に繋がるテーマを幅広い切り口からディスカッションし、世界平和を実現するためのアクションをみんなで考えるシンポジウムです。

開催場所は、東京都千代田区にある「LIFULL Table」。10:00のオープニングからスタートし、7つのセッション(映像 / 人権 / 難民支援 / Z世代 / アクション/ 未来)を実施。さらに終わった後は交流会もあるという長丁場でしたが、朝からモチベーションの高い参加者が続々と集まります。

シンポジウム開催に先立ち、ピースデーの説明や国連ピースデー9月21日を制度化し、界に広める役割を担っているNPOピース・ワン・デー(Peace One Day)の創設者ジェレミー・ギリーさんからのメッセージ映像をご紹介し、早速セッションに入っていきます。

SESSION 1 #ムーブメント

・井上高志(株式会社LIFULL代表取締役社長/一般財団法人PEACE DAY代表理事)

・加治慶光(シナモンAI会長兼チーフ・サステナブル・デベロプメント・オフィサー(CSDO)/鎌倉市スマートシティ推進参与/ 日立製作所Lumada Innovation Hub シニア・プリンシパル)

・谷崎テトラ(構成作家/京都芸術大学客員教授)(体調不良で出演キャンセル)

セッションのスタートを切ったのは「#ムーブメント」。としてまず一般財団法人PEACE DAYのムーブメントの始まりについて加治さん、井上さんよりお話しいただきました。世界情勢やSDGs、気候変動など様々な社会のポイントとPEACE DAYのVision、Missionを絡めながら、どうやって構造的暴力の解消へのムーブメントを起こすのか、具体的なアクションにつながる話を聞けたことで、一人ひとりができることをかんがえることができました。

SESSION 2 #映像

・関根健次(ユナイテッドピープル株式会社代表取締役)

・堀潤(ジャーナリスト / 元NHKアナウンサー)

・庭田杏珠(東京大学学生)※VTR参加

午前中の2つ目のセッションは「映像」。まずは関根さんより、ジェレミー・ギリーさんがPEACE DAYを立ち上げた経緯や、映画「THE DAY AFTER PEACE 」との出会い、国際平和映像祭を設立したことについてお話いただきました。さらに、モノクロ写真をカラー化することで、失われていた記憶の掘り起こしを進めるプロジェクトを始めた、庭田杏樹さんを題材にした現在制作中の映画「記憶の解凍」の紹介動画もお見せいただきました。最後に庭田杏樹さんよりこの活動への想いやメッセージを動画にてお話しいただきました。

SESSION 3 #人権

・土井香苗(国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチ日本代表)

・葉錦龍(香港人民主活動家)

・堀潤(ジャーナリスト / 元NHKアナウンサー)

ランチを挟んで午後も熱量の高いセッションが続きます。人権のセッションでは、土井さんから堀さん、サムさんについてご紹介いたいたあと、堀さんより2019年の香港での大規模デモについての記録映像をお見せ頂きました。その後はサムさんより、写真と共に人権侵害や抱えている想いについて自身の経験を交えながらお話しいただきました。日本人の政治への無関心さに挫折を感じたサムさん。「政治は政治家のものではなく、国民一人一人のものである。投票に参加して終わりではなく、その後政治家の監視を行うことだ」という言葉が胸に響きます。

SESSION 4 #難民支援

・成瀬久美(Peace Alchemis/株式会社Eternelle Beaute and Co.代表取締役/蓮葉果紅主宰)

・龔 軼群(認定NPO法人Living In Peace 代表理事/一般社団法人Welcome Japan 理事)

・鈴木栄(一般社団法人ソーシャル・インベストメント・パートナーズ代表理事/公益財団法人日本フィランソロピック財団シニア・オフィサー)

日本は難民申請者数と認定率が他の国と比較すると低い水準となっています。午後の2つ目のセッションは「難民支援」です。龔(キョウ)さんからは、日本における難民受け入れの課題や、難民の方に向けて取り組んでいるサポートについてお話しいただきました。サポートの中には、企業や行政と連携し、語学支援だけでなく、フェスティバルなどを通じて、文化を楽しく感じ合う取り組みも行なっています。

一方で、外国で生活していた時間が長い鈴木さんは自身の経験からオーストラリアの人口の多様化の事例をご紹介いただきました。難民を受け入れ、新しい未来を想像していけるようになるためには長い道のりではあるが、一人ひとりが一歩踏み出すことで、社会が変わるとまとめていただきました。

SESSION 5 #Z世代

・山岡仁美(株式会社グロウスカンパニー+代表取締役/人財育成コンサルタント/組織変革ファシリテーター)

・佐藤大吾(NPO法人ドットジェイピー理事長/武蔵野大学アントレプレナーシップ学部教授)

・竹野理香子(合同会社CGO.com.代表取締役総長) (体調不良で出演キャンセル)

・山口由人(株式会社Emunitas代表取締役)

つづく「Z世代」のセッションでは、「愛を持って社会に突っ込め」というミッションを自身で掲げ、『はたらく』をキーワードにビジネスを展開している山口さんより、自身の経歴や活動内容についてご紹介いただきました。『はたらく』ということは、一人ではないということ、明日の生きる意味に繋がる。世界には世代間、国籍、キャリア、文化など、様々なボーダーは関係ありません。「愛」を持ってはたらき、行動を共にすることで、仲間意識や絆がうまれていくのだと仰っていたのが印象的です。

SESSION 6 #アクション

・高橋歩(作家/自由人)

・PETOMO(ペットボトル・プラスチックボトルアーティスト)

セッションもいよいよあと2つ。「アクション」のセッションでは、今回、ステージの装飾にご協力いただいたPETOMOさんから、自身の作品について込める想いや、活動についてお話しいただきました。また高橋さんからはTRUE BLUEの活動や、海を通して繋がる平和についてお話しいただきました。「ごみ」なんてものはなく、世界中は宝で溢れている。終始、自由な明るい空気でとてもピースな雰囲気でした。

SESSION 7 #未来

・平原依文(HI合同会社:代表/青年版ダボス会議 One Young World:日本代表・アドバイザー/教育未来創造会議(内閣官房):構成員/アドベンチャーワールド サステナブルSmileアンバサダー/株式会社アミューズ みらいエデュテインメント財団 理事)

・石山アンジュ(一般社団法人シェアリングエコノミー協会 代表理事/一般社団法人Public Meets Innovation 代表理事)

・関根健次(ユナイテッドピープル株式会社代表取締役)

・井上高志(株式会社LIFULL代表取締役社長/一般財団法人PEACE DAY代表理事)

熱いセッションが続いた「PEACE DAY2023 スペシャルシンポジウム」は、あっという間に最後のセッションに。シンポジウムの総括ということで、井上さん、関根さん、平原さん、石山さんにご登壇いただきました。それぞれの活動や想いについてお話しいただいた後、井上さんより各プログラムの内容のポイントをお話しいただきました。その後は、石山さんより、「政治に対する国民が意見交換する雰囲気がタブー化している空気感を変えるためにはどうしたらいいのか」という問いを切り口に、そこから対談を深めていきました。最後に自身の『これから』について皆さんにお話しいただき、8時間のシンポジウムは終了となりました。

交流会

シンポジウム終了後は、登壇者の方を含め、皆さんでピースフードを囲み、立食パーティを行いました。今回、PEACE WINEをご提供いただいた、株式会社オッジフルッタ代表取締役である古堅裕子さんにPEACE WINEのうまれた背景や、ワインに込められている想いについてお話しいただきました。また、「地球に感謝する食」として食を通じた平和への活動を行なっている奥田政行シェフにも一言いただきました。料理やワインを交えながら、楽しく、幅広く交流を深めることでPEACEの輪が広がる場となりました。

どのセッションも真剣で熱量高く、一人ひとりの心にずっしりと重みのある時間となった今回のシンポジウム。7つのテーマを設け、様々な角度からセッションを実施しました。1日をかけて様々な社会課題を取り上げましたが、一つ一つの課題を切り離して考えるのではなく、全てが繋げて考えることが大事なのだと感じました。取り組むテーマや活動の内容は違っても、皆さんの中にある根底の想いは同じ「平和」であるということを強く感じる1日となりました。