PEACE DAY財団では、活動を応援してくださっている特別会員の皆様からいただいた会員費の一部を、毎年平和活動に取り組む５つの団体にご寄付させていただいています。
今年の寄付先団体の皆様よりメッセージをいただきましたので、ご紹介いたします。
2団体目は、音楽を中心とした芸術活動を通して難民問題解決に取り組む『TaiYou Symphony－太陽交響曲－』です。
2017年初夏。３人の女性で、社会課題解決と音楽／文化事業を結びつける企画を生み出していこうと、I(私)とYou(あなた)が愛（ai）で結ばれる団体、TaiYou Symphony－太陽交響曲－を結成しました。
コンセプトは、No Harmony, No Peace of Life。すべては、世界平和のために。
音楽を中心とする芸術文化の喜びや楽しさ、豊かさを通じて世界中の人々に夢と希望を与え、未来に輝く笑顔を広げられることを願い、社会課題をテーマにも含んだイベント・プロモーション運営を中心に活動しています。
中でも、ー音楽で国境を越える、心をつなぐーをモットーとし、文化芸術事業を通じながら世界中の人々や子どもに光をあてられるよう尽力しています。特に相談を多く受けるのが、難民・移民問題や人道支援です。
TaiYou Symphony－太陽交響曲－では、2018年から難民問題に焦点をおき、シリア、アフガニスタン、南スーダン、ミャンマー、ロヒンギャ、コンゴ、ウイグル、チベット、キリバスほか様々な国と接点を持って対話をしてきました。難民とは「迫害、紛争、暴力、人道危機等により避難を強いられ国際的保護を必要とする人」を指します。日本人も難民問題というのは全くの他人事ではなく、いつでも、誰でも、家を追われるリスクはあるのです。だからこそ、これら多様な国の文化資産も大切にしていきたい。その先に繋がりある未来があると、私たちは考えます。
これまで、設立から現在に至るまで様々な文化芸術活動を創作してきました。代表的な例の一つは、2018年に７本指のピアニスト西川悟平さんをＮＹから招き、イギリス人ソプラノ歌手のバロネス・シャーロット・ド・ロスチャイルドさんと目黒パーシモンホールにて共演をし、低出生体重児支援や難病のパフォーマーの活躍を応援したこと。これをきっかけに、ジストニアという難病のアーティストに光があたり次々と日本各地で公演し、西川さんは東京オリンピック・パラリンピックの閉会式でピアノを演奏されることになりました。
2018年はシリア人難民レストランが期間限定オープンするように企画運営から尽力し、2019年は「難民で渋谷をジャックする」をテーマに地球音楽食祭企画を遂行。「渋谷ズンチャカ」でウイグルキッチンカー〈シルクロードタリム号〉を出店、「TaiYou Symphony presents 地球音楽食祭@EDGEof」を企画主催し、イラン、ウイグル、コンゴ、シリア、スーダン、チベット、ロヒンギャ等の音楽と食が渋谷に集結しました。
TaiYou Symphony-太陽交響曲-の特徴の一つとして、企画運営しながら社会課題解決の一助になることを目指すため、参画する難民や移民のビザ取得サポートや雇用支援、渡航や就学支援も積極的に行ってきました。日本や国外での新たな生活が少しでも希望に満ちたものであって欲しいからです。
2020年はコロナ禍ということもあり、人権問題に加えてフードロスや環境問題もテーマにし、千葉県いすみ市のブラウンズフィールドにて世界の食が集結する「地球音楽食祭」の第2弾「地球音楽収穫祭－Earth Music Harvest Festival-」を屋外で開催しました。循環というテーマで自然を楽しみ、恵みを感じながら様々な社会課題に触れることのできるイベントとなりました。
最近では、タリバン政権となったイラン国内で殺害予告を受けた若きフルート奏者のジャムシッドさん、妹の女子柔道（東京オリンピック内定）の選手ラティファさんと母親ビビグルさんを日本へ避難させるべくロビーングや脱出劇に尽力。多くの方の支援のもと無事に来日の夢が叶い、その後日本での生活や難民認定の難しさを知ってもらうためのフルート演奏会を開催しました。その後、異例のスピードで難民認定を得ることができました。彼らは、今では自活できるように少しずつアルバイトをしながら、日本語の勉強に勤しんでいます。
このような私たちの地道な活動が社会貢献の形に少しずつ結びついているのは、ひとえにご支援して下さる皆さまのお蔭であると、関係者一同、心より感謝いたしております。
今後も小さな光を集めるプリズムのようにTaiYou Symphony-太陽交響曲-を通して、あたたかな光を発信できるような活動を続けてまいります。
引き続き皆さまのご支援とご協力をお願い申し上げます。
TaiYou Symphony－太陽交響曲－
代表理事 成瀬久美
