毎月21日に開催している「PEACE DAY monthly 21」
33回目のテーマは、「9.21 ピースデー1ヶ月前SP ~平和のムーヴメントを起こそう~」
9月21日の国際平和の日(ピースデー)1ヶ月前スペシャルと題し、NPO法人PEACE DAYの理事、正会員のメンバーが一堂に会し、改めてPEACE DAYのミッションやビジョン、メンバーの活動や想いを参加者の皆さんへ共有し、平和について考える時間となりました。
まずはじめに、代表理事 井上さんより「PEACE DAY」についてお話しいただきました。
井上 高志(NPO法人PEACE DAY 代表理事/株式会社LIFULL 代表取締役会長)
<井上>ついにピースデーが来月となりました。今年の開催は待ちになった土曜日ということで、ぜひみなさん会場に足を運んでいただけたら嬉しいです。9/16から一週間は毎日イベントを企画予定ですので、お楽しみに。
さて今日は、1ヶ月前ということでPEACE DAYの理事、正会員のみなさんにお越しいただき、それぞれの平和に対する活動を発表していただきます。その前にまずは、PEACE DAYについて私から少し説明させてください。
我々のビジョンは『争いのない平和な社会を実現する』こと。そして、ミッションに『平和を信じる一人ひとりの想いと行動をつなぎ、パートナーシップで実現する仕組みを創る』ことを掲げています。これは、それぞれSDGsの16番目の目標「平和と公正をすべての人に」、17番目の目標「パートナーシップで目標を達成しよう」に該当します。あらゆる暴力を廃し、対話と共感の力によって、多文化感受性を高め、すべての生命を尊び、すべての人が幸せで、真の心の平安を得られるように、ピースデーという日を起点として活動を広げていきます。平和な世界の実現のため、100万人の市民・企業・団体がつながるプラットフォームとなって、世の中を動かし世界平和に貢献するムーブメントを起こしていきたいので、その一歩としてぜひメルマガの登録をお願いします!
参加されたPEACE DAYの理事、正会員のみなさんの平和へのアクションや想いについてそれぞれお話いただいました。
平原 依文(HI合同会社 代表 / 青年版ダボス会議 One Young World 日本代表)
<平原>私は『世界中の境界線を溶かしたい』をテーマに活動しています。パスポートの色や国籍で人を判断せず、人間性やその人の夢に共感し、友だちの輪を広げていく世界になることが平和に繋がると信じ、現在会社を立ち上げています。
先週韓国へ行き、韓国人の友人に会ってきました。その方とは小学3年生の頃から一緒にいましたが、当時は言語も違えば、知っている歴史も違い、よく言い争いをしていました。その解決手段として、それぞれの国の教科書を使い、視点を変え歴史を語ってみようという会を毎週金曜日に行っていました。発表者目線の物語を知ることで平和が生まれると実感しました。異文化理解を深めるためには、様々な国の生活をのぞいてみること、そして、国を超えてその人自身を理解していく必要があると思います。
その想いから現在は、『GLOBAL ACADEMY』というプログラムを運営しています。様々な国のクイズをつくり、そこからその国の生活をのぞいてみます。その人はどんな生活をしていて、どんなことを大切なこと大切にしているのか?といった想像と現実の違いを理解し、平和へつなげるプログラムを広げていきます。たくさんの学校に届けたいと思いますので、ぜひ団体や学校を紹介してください!
関根 健次(ユナイテッドピープル株式会社 代表取締役)
<関根>大学生のとき中東のガザ地区へ行った経験から、憎しみの連鎖を止めなければならないと考え、今に至ります。ガザとイスラエルの戦争が昨年10月から始まり、もうすぐ1年が経過します。最近の戦争の傾向は、始まるとなかなか終わらないイメージがあります。戦争の被害を受け、仕返しをしてやりたいと思っている少年がいました。こうして負の連鎖が起きてしまっている状態をなんとかして止めなければならないのです。
私は映画会社を運営しているのですが、映画を使って感動の力を届けることで持続可能な社会に、世界平和に繋げたいという想いで活動しています。
『私は憎まない』という映画を紹介させてください。これはガザ出身の医者のドキュメンタリー映画です。彼はイスラエルで働く初めてのパレスチナ人でした。産婦人科医として様々な人種、宗教の赤ちゃんを取り上げてきましたが、どの赤ちゃんにも区別はない、と言っていました。彼は医療の力でパレスチナとイスラエルの架け橋になっていたのですが、2009年に家が攻撃を受け、3人の娘が殺されたにも関わらず、翌日の取材で共存の話をするのです。『イスラエル人とパレスチナ人の命を平等に扱ってほしい』と。彼はノーベル平和賞に5度ノミネートされています。その映画は10/4から上映予定です。ユナイテッドピープルで検索し、チェックしてみてください。
ガザとイスラエルの戦争開始から1年経つこのタイミングで、改めてみなさんに関心を持ってほしいと思います。上映場所がない地域でも興味があれば誰でも上映会を開催できるので、ぜひご連絡ください。
私は憎まない https://unitedpeople.jp/ishall/
谷崎 テトラ(構成作家/京都芸術大学客員教授)
<谷崎>「メディアを通じて社会を変える」をテーマに活動しています。世界中を取材して回ってみて、世界環境がほんとに危機的状況だと分かり、持続可能なプロトタイプモデルを作りたいと思っています。テレビ以外にもメディアの構成に携わったり、世界のエコビレッジを訪問しています。
また、4//22の地球環境について考えるアースデイ(地球の日)のジャパンネットワークの理事もしています。「春のアースデイ、秋のピースデー」をもっと全国に広げていきたいと思っています。地球のことを考える上で平和を考えることは切っても切り離せないものですから。
そのほかの活動に、アートや芸術のプロデュースや音楽プロデュースもしています。今年のピースデーでは、S.T.K. (SUGIZO×谷崎テトラ)としてステージにも出演予定です!
石山 アンジュ(一般社団法人シェアリングエコノミー協会 代表理事 / 一般社団法人)
<石山>シェアする経済、ライフスタイルを通じて利己主義に走っていく世界を分かち合い、境界線を溶かしていきたい、という想いで、民間と行政の間で活動をしています。
最近思うことなのですが、今世界で戦争が日常化してしまっていて、日本でも新たな戦前と言う人がいる中で、「No war !」と訴えるだけではなく、そこから一歩踏み込んだ意見の交換が必要なタイミングなのではないかと考えています。例えば、「憲法に自衛隊を明記するべきなのか?」「戦争を放棄する平和主義を掲げる日本が他国に武器を供与していいのか?」など、国として平和をどう位置付けるかを国民も考える時だと思うんです。ひとりひとりが意見を持つべき時代だと私は思います。
ガザやロシア、ウクライナなど世界が緊張状態の中で「私たちの恐怖心が戦争を近づけることにならないのか?」ということを改めて考える必要があると思います。そのために私は政策に対してもっと議論する場が必要だと感じています。
成瀬 久美(Peace Alchemist/事業家/アナウンサー)
<成瀬>子どもの時から世界平和というのが自分にとっては当たり前のことでした。幼少期の私は家事のお手伝いをしてスプーン一杯のお米をもらい、それを寄付するということが私にとっての慈善活動のはじまりです。
日常の生活において混沌としたことがあっても、それを大きな愛で包める愛情みたいなものがあればいい。そんなことを思いながら2010年から独立し、平和に繋がる活動を続けています。
私の大きな活動のひとつとして、移民のサポートをしています。世界中の難民者数は増えている状況です。また、イギリスにはアフリカからの移民が増え、首相がついに白人種でなくなったのも象徴的です。ただ、フランスやドイツでも暴動が増えているという実情はあるが、日本はそもそも受け入れてないという現状もどうなのか。受け入れたとしてもアフターケアが追いついていない、サポートが行き届いていないため、罪を犯してしまう移民者がいます。しかしニュースでは、そこばかりがフォーカスされ、やっぱり〇〇人はダメだ!というイメージになっているように感じます。様々な国の方をサポートしているうちに、こうしてピースデーにも深く参画していくようになりました。
最近、シューマッハカレッジという環境幸福経済学というユニークな学問が学べる小さな大学院を訪問するため、イギリスへ行ってきました。そこでの教えとして「小さいものこそ美しい」「シンプルなことこそ優しさだ」ということをサイエンスを含みながら学ぶことが出き、自分自身も地球の一部だと実感する時間でした。
そんなイベントを私のホームである蓮葉果紅(千葉県)で実施できるように準備して行く予定です。ここは、スモールイズビューティフルを形にしようと目指した場所。協力してくれる企業さんや会員さんを常時募集しています。
蓮葉果紅 https://www.renyokako.com/
――「No war !」と訴えるだけではなく、そこから一歩踏み込んだ意見の交換が必要なタイミングなのではないかと考えています。
<谷崎>具体的に今後どのようなことをしていくのですか?
<石山>自分の意見を出すことすらもタブー化していることが問題だと感じています。様々なリスクがあるという状況があまり良くないと思います。心理的安全が保たれた場、思いを否定されない場、リスクにさらされない場、自分の意見を話せる居場所づくりが必要だと考えています。
<谷崎>若い人たちはうまくSNSなどを活用し発信していると思います。私の良く知るYouTuberも台湾で独自取材をしたり、アウシュビッツを訪れたり、我々のように平和活動をしていない人たちも彼らなりに発信しています。
<石山>対話をくり返しながら国に対して、安全保障に対して、自分の意見を提言できる場所をまずは作りたいです。
<井上>石山さんの提言は非常に重要だと思います。PEACE DAYで若い人でも入りやすいようなそういう場をぜひ作りたいと思うのですが。まずは、クローズドな場として始めるのはどうでしょうか?そのリーダーをぜひ石山さんに担っていただきたいです。憲法9条についてだとか難しい話ではなく、そもそもなんで国際平和ができていないのか?などといった話し合いから始められればいいですよね。
<関根>先日テレビ番組で聞かれたことがあって、今日本は軍事費用を2倍にしようとしている。軍備増強について具体的に聞かれました。石山さんの言葉を借りて話すと恐怖心があるから、相手のことが怖いから先制攻撃をして戦争が始まるのだと思います。なので、私は平和外交の為の投資を100倍にしたらどうかと提案しました。中国、朝鮮半島との関係を日本はこれからどうしていくのか?普段から緊張関係ではなくて、信頼関係を醸成させるための外交するべきでは?と私は思います。若手議員同士が平和フォーラムを開き、意見を交換する場を増やしていく。民間ではもっと行き来をする、旅をすることで異文化と出会っていく。そういうきっかけをもっと増やしていくべきだと思います。パスポートなしで行き来ができると、日本にとっては少子化や働き手などの心配も減り、平和なアジアの未来像が生まれるはずです。
<井上>お互いが疑心暗鬼になって防衛費を増やし、何かあれば引き金を引くような状況にするのではなくて、有識者などを呼び、考えを発信していく必要があると感じました。
<成瀬>中国の侵略があるかないか、沖縄がいつ攻められるのかなど色々問題はありますが、私にも中国人の友人がいます。どうやって日中関係を良くしていくのか。また、北朝鮮のミサイルの問題や、憲法9条などについてもイデオロギーになりがちだと思います。平和という言葉が日本に中々浸透しないのは、目の前にいま戦争がないからだと思います。でも実はそうではないし、危機感を煽るのではなく、いろんなものに守られていることを国民がもっと知る必要があるのだと思います。
参加者の皆さんとゲストが対話するダイアログタイム。今回も様々な意見が寄せられました。
<田中さん>『アースライズ』という音楽とアートのイベントを主催しています。ロシアとウクライナの戦争についてですが、日本はウクライナにお金を出していますが、それってウクライナがロシアを進行をしはじめた軍事費用に使っているのではと思った時に怖くて鳥肌が立ちました。戦争が起きたときに中立という立場がとても必要だと思いました。平和のためにって思いながらも、実は加害者側にまわっているときがあるかもしれないと思うと、もっと様々な観点から物事考えることが必要だと感じました。幼少期に『We are the world』という歌を聴いた時に、平和って多分こういうことなんだろうなって漠然と思いました。心の奥底に眠る平和への想いからオンラインイベントを開催しています。出演者や応援してくれる方を募集しています。
アースライズについて https://7q78q.hp.peraichi.com/
<松永さん>アースライズの一員です。日本人の助け合いの精神に少しでも少しずつでも関心をもっていってほしいという想いから活動の携わっています。
<かにさん>普段平和について気軽に話せる場所がないので、多くの人が平和を考えることは少ないと思います。私自身、平和に関心の高い人に囲まれていますが、それでも自分の意見を言う機会が少ないと感じています。素直な表現ができる場を私も求めいているので、今日参加できてよかったなと思います。
井上さんと石山さんがこの会を締めくくりました。
<石山>この1時間半の中で平和とは何かと自分自身に問えた時間になりました。今この瞬間も暴力に溢れていて、その危機感がどこまで自分の心が痛むのか。参加者にのみなさんも自分と向き合う時間になっていたら嬉しく思います。
<井上>今まさに助けが必要なこともあれば中長期かけていく必要があるものなどと様々なことがある中で、99/999…%の世界の人々は戦争、争いが嫌いでも、0.000…1%に値する国のトップの一言で戦争は勃発します。多くの市民の力は大きな力を秘めているはずです。また、孤立してなかなか話せないという状況ではなく、当たり前のようにみんなが行動できるような、そういう社会に変えていくべきだと私は思います。