2025.10.03 Event

大阪・関西万博を感動で包んだ平和の祭典「PEACE DAY 2025」のアーカイブ動画が公開開始

2025年9月21日(日)の国際平和デーに、大阪・関西万博 EXPOホール「シャインハット」にて開催された平和の祭典「PEACE DAY 2025」。戦後80年の節目に、平和の意義を問い直し、未来へのポジティブな影響を創出するために行われた本イベントの模様が、このたびNPO法人PEACE DAY公式YouTubeチャンネルにて公開されました。

動画はこちら

荘厳な幕開けを飾ったオープニングセレモニーをはじめ、世界一周の船旅に出ているメッセンジャーと繋いだ「PEACE DAY MESSENGER中継」、会場が一体となった「DRUM CAFE JAPAN」のライブパフォーマンス、そして本イベントのハイライトである歴史的対話『HOPE80』などがご覧いただけます。

なお、「S.T.K.(SUGIZO+谷崎テトラ)With 岡野弘幹、岩崎園子」「May J.」につきましては、アーカイブ配信はございません。何卒ご了承ください


戦後80年目の歴史的対話『HOPE80』で語られた言葉

イベントのハイライトとなった、第二次世界大で敵対した国の指導者や関係者の子孫たちが一堂に会したトークセッション『HOPE80』。過去を乗り越え、未来の平和を共に創造するための力強いメッセージが語られました。その一部をご紹介します。

トーシャ・ガンジー(ガンジーのひ孫)

私たちは皆、「Hope 80(希望80)」のリーダーです。私たちはただ、私たちの祖先が守り抜き、ある者はそのために戦い、そして私たち全員が信じているメッセージを、未来へ前進させようとしているだけです。ですからこれは、世界中からここへ集まり、この15日間近くを日本で過ごしてきた人々の、集合的なプログラムなのです。日本の至る所で受けた、この大変温かい歓迎に心から感謝いたします。

私の曽祖父マハトマ・ガンジーはこう言いました。「この世界には、全ての人の必要を満たすのに十分なものがある。しかし、たった一人の強欲を満たすことさえできない」と。私は何度も「非暴力とは何ですか?」と尋ねられます。今朝、私たちは万博の日本館を訪れました。そしてそこで、私が日本館で目にしたものこそ、実践における非暴力でした。私たちが生み出すゴミ、廃棄物、汚染は、私たちの環境に対する暴力です。そして私たちは、地球温暖化や気候変動という形で、その暴力の影響を経験しています。そして日本館で、私はゴミや汚染、廃棄物が、いかにして生産的なものに、再利用可能なものへと転換されうるのかを見ました。それこそが自然との平和であり、実践における非暴力です。そしてこれらこそ、私たちがインスピレーションを得るべき実例なのです。

 

クリフトン・トルーマン(トルーマン大統領の孫)

どのようなメッセージであるかは問題ではないと思います。私たちは皆、それぞれ違うことを言い、違う考えを持っていますから。そしてメッセージそのものは、私たち全員がここに共にいるという単純な事実ほどには、重要ではないのです。東條さんと私は、10年来の知り合いです。そのような関係を築くのに必要なのは、開かれた心と、敬意、そして人々が平和に自らの人生を生きることを許そうとする意志、ただそれだけです。

 

東條英利(東條英機のひ孫)

皆さん、こんにちは。 私は今年52歳になりますが、これまで自分はどう生きるべきかという問いと、常に向き合ってまいりました。そんな日々の中で私の心を動かしたのは、曾祖父が死刑を執行される直前…そのわずか1分前に行った、ある行動でした。曾祖父は、その場にいた最も背の高いアメリカ兵のもとへ歩み寄り、「ご苦労さん、今までどうもありがとう」と、感謝の言葉を伝えたのです。その姿に心を動かされたアメリカの将校たちが歩み寄り、曾祖父の手を握りました。彼は最後に握手を交わしてから、十三階段を登っていったと聞いています。

私はこの話を知った時、心に決めました。私がやるべきことは、恨みといった負の感情を抱き続けることではない。曾祖父が最期に示した「和解」の精神を受け継ぎ、それを未来へ繋いでいくことこそが私の使命だと。ですから、今回こうしてクリフトンさんとお会いできたことは、私にとって本当に大きな励みとなりました。そして皆様にも、この出会いを機に考えていただけたらと願っております。私たちは、必ず分かり合えるのだということを。本日は、ありがとうございました。

 

ジェニファー・ティーゲ(ナチス将校の孫)

私が自分の家族の過去について知ったのは、人生のかなり後になってからで、実は偶然のことでした。あの当時から10年、多くの年月が経ちました。ですから今日、この国際平和デーに、私が学んだことを皆さんと手短に分かち合いたいと思います。第一に、あなたがどういう人間になりたいかは、あなた自身が決めるということです。そしてさらに重要なのは、あなたがどういう人間になっていきたいかを、あなた自身が決めるということです。

私たちの運命は決まっているわけではありません。私たちには常に、善を選ぶか悪を選ぶかの選択肢があります。もう一つは、私たちが平和について語る時、そこには様々な種類の平和があり、紛争や戦争にも様々な側面があるということです。世界中には非常に多くの紛争があります。私たちが忘れてしまっているものもあります。アフガニスタンについて、私たちはかつて話しましたが、もはやメディアで語られることはありません。イエメンがあり、スーダンがあり、ミャンマーがあります。ほんの数例を挙げたにすぎません。

私たちの政治家たちは良い仕事をしているとは言えませんが、私たちに彼らをコントロールすることはできません。私たちがコントロールできる唯一のものは、私たち自身です。時には、自分の感情さえもコントロールできませんが。

しかし、非常に個人的なレベルで、皆さん一人ひとりが、自らの内なる平和を見つけようと努めなければなりません。なぜなら、皆さん一人ひとりが内なる平和を見つけさえすれば、外の世界と戦う必要はなくなるからです。そして先ほども言ったように、私たちはしばしば自分の感情をコントロールできず、内なる平和は永続的な状態ではありません。しかし、私たちは内なる平和を求め努力する必要があります。さもなければ、私たちは外の世界と戦うことになり、それがさらなる紛争へとつながるでしょう。

 

マガリ・ブロシュ(アウシュビッツ生存者の孫)

希望とは行動です。平和は、敵と共に築くものです。最大の敵、私たちが抱えるほとんどの敵は、ジェニファーさんがおっしゃっていたように、私たち自身の内にあります。しかし、この敵の下には、絶対的な喜びがあります。私たち全員がそれを見つけることができるのです。そして、この第二世代として、私の母は第二次世界大戦の生存者です。私は幸運にも、日本からヨーロッパを巡ってきた「アース・キャラバン」という一行に出会う機会を得て、イスラエルが占領している地区であるヨルダン川西岸地区のすべてのパレスチナの人々と、あるいは多くのパレスチナの人々と、非常に友好的な場で会うことができました。そして私は、大いなる喜び、絶対的な喜びを見出します。それを皆で見つけ、共に分かち合いましょう。ありがとうございました。

 

 

音楽、対話、そして多くの人々の笑顔と平和への願いに満ちた一日の記録を、ぜひYouTubeでご覧ください。